東京高等裁判所 昭和52年(行ケ)210号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
原告 中村ヨリ子
被告 特許庁長官
熊谷善二
右指定代理人 小林伝
外一名
【判旨】
二そこで、審決取消事由の有無について検討する。
本件審決により却下された審判の請求は原告および高北一の共有に係る考案について両名により共同でなされた実用新案登録出願の拒絶査定に対するものであるところ、この審判の請求は原告のみによつてなされたものであることは当事者間に争いがない。
ところで、「特許権又は特許を受ける権利の共有者がその共有に係る権利について審判を請求するときは、共有者の全員が共同して請求しなければならない。」と定めている特許法第一三二条第三項の規定は、実用新案法第四一条により実用新案法に基づく審判に準用されて、共有権利関係の画一をはかつており、例外は認められないのであるから、たとえ審判請求が共有にかかる権利を保存する結果となるとしても、手続としては右規定によらなければならない。(なお、もとより一名による審判請求を全員のためのものと解することもできない。)。
したがつて、本件の場合、原告単独では審判の請求人適格を有しないというほかなく、原告が単独でなした審判の請求は不適法で補正をすることができないというほかない。
そうすると、本件審決には原告主張のような違法はない。
(小堀勇 舟本信光 小笠原昭夫)